ガルバーニは蛙の解剖中に、助手が解剖した蛙に金属のメスを触れると蛙の足がビクッと動くことを
発見しました。カエルの筋肉運動は電気に関係があると推理したガルバーニは、切り離した
カエルの足を真鍮(銅)でできたフックに刺して雷の日に屋外の鉄柵に吊るしました。 ガルバーニの予想通り、
鉄柵に吊るすと雷が光った瞬間、蛙の足は痙攣しました。しかし不思議なことに、晴れの日にも鉄柵に吊るすと足は痙攣しました。
実はこのとき、真鍮がプラス極、鉄がマイナス極、そしてカエル自身が電解液となった電池ができており、
その電流がカエルの足を刺激していたのです。ガルバーニは2種の異なった金属が関係していると
正しく推論し、そして2種の金属の種類によって痙攣の強さが違うことを確認しました。
しかし当時広く流布していた動物の神経には動物電気が流れているという説に対し、
確かな証拠を得たと考え研究結果を公表したのですが、実は、湿った環境の中で種類の異なった金属の間には
電位差が発生し、この異なった金属の間を接触させると連続した電流が流れることを発見したのですが、
誤った解釈をしてしまったのです。